神奈川県が主催する神奈川県美術展は昭和40年に始まり、今年で52回めを数える歴史のある美術展です。部門は平面立体、工芸、書、写真の4つがあり、写真部門は第2回から開催されています。
歴史も実績もある本展覧会ですが、最も注目すべき点が大賞の賞金です。平面立体部門では200万円。工芸、書、写真部門ではそれぞれ50万円。非常に魅力的な金額です。
大金に目がくらみまして。ええ。写真部門に応募してみたわけであります。とりあえず、僕はマーケティングの人間なので大賞の傾向を調べてみました。
過去の大賞作品
第51回神奈川県美術展写真部門大賞『顔』小川 賢
第50回神奈川県美術展写真部門大賞『島時間』五十嵐 航
50回以前の作品は図録アーカイブにまとめられていました。ドキュメンタリー感というか、そこにいる人や風景を演出もせずありのまま切り取った作品が大賞、入賞ともに多い傾向にありました。
被写体は人が強い年、風景が強い年、その年毎に、結構はっきりと傾向が分かれているような気がします。48回は完全に風景の年でした。
浅羽の作品
さて、そんな中、僕が応募作品に選んだのがこちら。
今回のために撮り下ろしたものでは無くて、2012年、一眼カメラで撮り始めて一年ぐらいの時に撮った写真です。傾向がどうとかさっきまで偉そうに語ってたのにめちゃくちゃ演出されてる写真じゃん!
という声が聞こえてきそうですがとりあえず、僕の狙いを聞いてください。被写体は会社にインターンとしてやってきたフランスの留学生の子です。
場所はみなとみらいにあるコスモワールドのメリーゴーランド。後ろには大観覧車コスモクロックが光っています。構図が近すぎるとか、下手くそな部分は沢山あるんですが、彼女が素で楽しんでいる感じは出ている(と思う)ので悪い写真では無いとは思います。(たぶん。。。)
神奈川県美術展は今回から全国公募になり、県内在住や県内企業に務める人以外でも募集できるようになりました。規模を拡大し、神奈川から全国へと芸術文化を発信したい狙いがあるようです。
となれば、県内の観光地で楽しそうにしている外国人の写真であれば、インバウンド観光を喚起するような要素もあり、写真本来の魅力以外のとこでもアピールができそうだと。こう考えたのであります。
搬入は自分で会場まで持っていく
搬入は決められた日程と時間までに会場まで持って行きます。要項を記入しなければいけないのですが、予めWEBサイトにPDFを印刷して書き込んできてもいいですし、会場にも用紙があるので係の人の案内を受けながら記入しても大丈夫です。
僕は最終日のわりとギリギリな時間帯に作品を持って応募を済ませました。整理番号は429。不吉な番号でした。ちなみに、参加費として5000円がかかります。
写真部門だけでざっと200万円の収入ということになりますね。賞金もここから出ているのでしょう。薪になるのはいやだあああああ!!!
当落の結果は一週間後に郵送されてきます。ドキドキしながらはがきを見てみると『選外』の二文字が。。。ダメでした!マジか~~~~~~~~~
いろいろと小癪(こしゃく)なことを考えてみたわけですが、選外の理由は神奈川県美術展ぽくなかったからじゃないですかね。やっぱり演出された写真は選ばれない傾向にあるようです。彼女の笑顔は素の笑顔なんだけどなぁ。悔しい。
ちなみに、第52回の大賞がこちら。
『正直な人』小柴 みなみ
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浅羽ヒロミんんんんんんん。。。
さて、第53回の応募作品搬入日は平成29年5月13日(土)・14日(日)です。応募要項は2月の下旬に発表とのことです。来年こそ大賞とりたいな~