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浅羽ヒロミ14万部発行の実績を持つ大学ジャーナリストの石渡氏ですが、最初から文章が上手かったわけではなく、ボロカスに言われた過去もあったそうです。宣伝会議の特別体験講座書き起こし、続きをどおぞ。
石渡氏:
2005年当時に私がAERAで書いた記事があるので見てみて下さい。(参加者にはコピーが配られている)この記事の私の名前の上に編集部 太田匡彦という文字があります。
だから、これ、私一人で書いたわけではないんですよ。これなんで皆さんにお見せしたかというと、皆さんからよくご質問いただくのがライターは文章がうまくないとなれませんか?
と、いうことなんですが、文章の上手い下手って、うまいに越したことはないんですけど下手でもどうにかなります。
文章がつまらんと、デスクにすごく怒られた
と言うのも私自身、文章が下手でした。今も上手くないかもしれませんが。で、それを示すために見て頂いてるのがこちらの記事です。
ハッキリ言えばこれ、私の敗北の歴史なんです。何が敗北だったかというと、これ、和田秀樹さんという方に大学を見学してもらって、あれこれ講評するという連載企画でした。
私がネタを拾ってきて、トヨタ工業大学だったんですが、和田さんをご案内して、私一人で書けるかなと思ったところ、文章がつまらんと、デスクにすごく怒られました。
で、同行していた太田という編集部の記者が、書き直して、私の記事がズタズタに切り裂かれたというのがこの記事です。
で、当時は、そのことに対してデスクを恨んだんですけど今は全くそうは思いません。むしろ当時のデスクの判断は至極もっともだったと思います。
書き出しは関心のない読者でも読めるように
記事の書き出しをお読み下さい。『まず出迎えてくれたのは、豊田佐吉像だった。豊田工業大学は、トヨタグループの発祥企業・・・』とあります。
豊田佐吉像だったとあると、あぁ、トヨタグループなんだなって何となく分かりますよね。情景がすぐ浮かぶわけです。
それに対して、私が最初に提出した草稿は、『豊田工業大学は1981年に開学して、何とか学部があって・・・』と、ですね、すごく堅苦しい面白くもなんともない書き出しだったわけです。
週刊誌は見出し、リード文、書き出しが重要
で、この時、デスクから小一時間説教を受けたんです。石渡くん、いつもしつこく言っているだろう。と、週刊誌の記事はまず見出しを面白くしろ。と。
で、見出しを面白くしたら次にリード文(原稿の内容を要約した文章のこと)を面白くしなさい。さらに、ココを面白くしたら書き出しを面白くしろ。と。
書き出しはどんなに硬いテーマであったとしても、関心を持っていない読者であったとしても、読めるようにしなさい。と。
で、書き出しを面白くしたら小見出しを面白くしなさい。と。まぁ、そんなことを言っていたら全部面白くしろという話になってくるんですが。
いずれにせよ、タイトルと、書き出しはすごく重要だってことで凄い怒られたわけです。残念ながら私の最初の草稿はおもしろくなかったわけです。
文章下手だけどネタ拾ってくるから仕事はあげる
で、この記事を書いた直後だったかな?AERAのデスクと、私が当時お仕事させていただいた小学館の人と、日経BPという会社の、まぁ、出版社の偉い人達から三人異口同音に言われた事がありました。
石渡くん。君は文章が下手だねぇ。と。ライターって文章を書くのが仕事ですから、それが下手だねぇって言われたら製造価値がないって言われたも同じじゃないですか。
で、ものすごく落ち込むわけですよ。ただ、落ちがあって。君は文章が下手だけれども、ただ、大学関係で色んなネタを拾ってくるから仕事はあげる。と。
仕事はあげるけど、今以上に文章をうまく書こうという努力をしないとこの後厳しいから頑張ってね。と、言われたわけです。今でも覚えております。
書いた文章は一晩寝かせる
文章をうまくするコツと言うのは正直無くてですね、ひたすら文章を書いていくしかありません。あえて言えるとするならば、書いた文章を一晩寝かせてみてください。
書き上げた直後って、勢いがあるからこれ名文だって。俺ノーベル文学賞取れちゃうんじゃないかって思い上がってしまうわけです。
そこまで思い上がるのは私くらいかもしれませんが。ところが、一晩経ってみると、あ。ここの部分間違えたとか、ココは文章がつまらんとか、色々気づくわけなんです。
なので、できれば一晩おいたほうがいいと思います。一回外に出てコンビニに行くとか、お風呂に入るとか、何でもいいので時間を開けて気持ちを切り替えてみることをおすすめします。
そうすると、文章のあらが色々と見えてくると思います。ご参考まで。
続きます。