宣伝会議が運営する、編集・ライター養成講座の無料の特別体験講座が開催されるということで、仕事終わりに参加してきました。
登壇者は大学ジャーナリストの石渡嶺司氏。テーマは『養成講座OBが語る出版業界サバイバル競争』ということで、ギャラや印税の話など、結構赤裸々な内容を話してくれました。
この石渡氏、主に就活にまつわる書籍を出版されているようで、主な著書に『就活のコノヤロー』があります。
本人がおっしゃっていましたが、ニコ生に出演し、ひろゆき氏との討論でボロカスに言われた過去があるそうで、ググってみるとアンチ石渡という方がちょこちょこ見られました。
といことで、宣伝会議の編集・ライター養成講座特別体験講座の内容をまとめましたのでご覧下さい。
養成講座OBの活躍 ゴーストライターになる方も
石渡氏:
今はあまりないそうなんですが、私と同期の当時の受講生は有志で集まって、卒業制作の記事を文集にするなんてことをしていました。
で、菅谷知子さんという方がいらっしゃいます。卒業制作でタイトル「心の隙間を照らします 人生のともしび こけしマッチ」という記事を書きました。
マッチにこけしの模様を書いてどうしたこうしたというデザイナーの方を取材されて記事にされたんですけれど、コレが当時の最優秀賞の一歩手前の優秀賞に選ばれました。
で、私が当時出入りしていたAERA編集部の私を拾ってくれたデスクにこんな講座通ってましてこんな文集を作ったんで良かったら読んで下さいと文集を渡したんです。
コレが卒業から半年後ですかね。AERAの2005年6月号の実際の記事になったなんてことがありました。
で、ある方は(お名前を出すのは控えます)当時美容師をされていたんですけども、思うところがあってライターになりたいと、この講座を受けられました。
で、養成講座を受けている最中に当時のSPA!という週刊誌ののデスクが、講師(ライター)をしていた方のご担当で、一緒に来て頂いた事があって、その後の懇親会きっかけでデスクと仲良くなって記事を書くきっかけになったんです。
で、その方が今何をやっているかというと、ある有名な方のゴーストライターをやっています。担当編集兼、ライター。そん方もいます。
「印刷」と「校正」の授業が不人気
で、そのゴーストライターが卒業文集の『講座の印象・思い出』というコーナーで「つまらない、面白いがはっきりしすぎていた」と、書いてるんです。
これ、自信を持って言えますが、他の期でもおそらく同様の感想を持たれる方が結構いらっしゃると思います。
具体的に何の授業がつまらなかった、受講生の評判が悪かったかというと、「印刷」と「校正」の授業です。きっと、みなさんが受講されても同じ感想を持つことになるでしょう。
ただし、私がこの養成講座で受けて一番良かったと思うのがこの「印刷」と「校正」の授業です。
宣伝会議の方から受講しようかどうか迷っている方に対してお話してくれというオファーを頂いた時に、いや、養成講座なんて大したこと無いからお断りしますと言わずに、せっかくなのでお引き受けしますと言ったのは、「印刷」と「校正」の授業があったからです。
おそらく、受講生の満足度だけ考えたらこの授業いらないんですよ。だってつまらないから。いわゆる座学中心になるので面白みもないし、受講生の評判も悪い。だったら止めようかって話になるわけです。
ではなぜつまらないのに私がそこまで評価するのかというと、例えば「印刷」。例えばみなさんが編集やライターになったとしましょう。
で、おそらくライターになったら結構な確率で本を出せる機会があると思います。ネタさえあれば。で、その時に印刷のことを知らなかったら、印刷のコストを考えずに見てくれを良くしようと考えちゃうわけですよ。
ところが、今の出版業界はすごくシビアなので、一冊辺のコストって0.1円違うだけでも、増刷をやめちゃおうかっていうことになりかねないわけです。実際にありえます。
で、その時に印刷の知識があるかないかで天と地ほど別れちゃうわけです。仮に1000部でも2000部でも増刷がかかったとしましょう。
すると、そのライターあるいは編集者にとっては増刷がかかったということで実績になって、次に繋がるわけです。だから0.1円といえどもバカにはできないわけです。
で、それから校正校閲。飲食店情報の電話番号とか、あるいは差別用語とか、知らなかったでは済まされない事が起こりうるんです。出版業界の中では。
という点を考えると、私は「印刷」と「校正校閲」の授業があるだけで、他の同じような講座に比べれば皆さんの将来につながるんじゃないかなと思います。
続きます。