6月20日10時に公式サイトにて予約受付を開始したソフトバンクの「Pepper(ペッパー)」が、予約開始わずか1分で1千台が売り切れたことが発表されていました。
価格は本体が19万8千円(税抜)。通信を必要とするサービスを受けるのに月額1万4800円。保険に月額9800円。しかも、3年契約が必須ということで、すべて加入した総額は約120万円(税込)。
購入者の内どれくらいがオプションサービスを契約しているかは知りませんが、とりあえず、毎月2,500万円近くの利益が確定したということは凄いことだなぁと。(小並感)
ロボットアニメを見て育った私としては、ワクワクしてしまう話題なんですが、それ故にちょっと厳しいことを書いてみようかなと。あと、どうしたらPepperと仲良くなれるか考えてみました。
コンセプトは家族
家庭用向けのPepperのコンセプトは、公式サイトによると「気持ちが通じあう、新しい家族に。」だそうで、ソフトバンクロボティクスの冨沢社長が、東洋経済の取材に対しても、
どうすればロボットが家族の一員になれるのかということを考え抜いた
というようなコメントがありました。また、そのために最も重要視したのが『飽きさせないこと』だったそうで、
アプリの数を増やすのはもちろんだが、会話やしぐさを作り込み、リアクションもつねに変えるなど工夫を凝らしてきた
とも。引用:東洋経済 http://toyokeizai.net/articles/-/61944?page=2
感情エンジン追加
Pepperは2014年6月から、ソフトバンクショップのクルーという設定で、接客応対をしていますが、店頭用と、家庭用ではかなりバージョンアップがされたようで、人の感情を読みとる機能と、自身でも感情を表す機能が追加されたそうです。
ちょっと比べてみましょう。
2014/06/06時点のソフトバンク銀座店。
2015/06/18の記者向けの発表会。会話は0:47~
聞いてみると確かに感情が豊かになったのが分かります。ただ、気になるのは会話の精度です。一年前のPepperはお世辞にも噛み合った会話ができているとは言えません。
人間の方がPepperに気を使って合わせているといった感じです。バージョンアップ後の会話の精度は短すぎてちょっとわかりませんでしたが、劇的な改善はまだされていないと思われます。
Pepperの開発リーダーを務めるソフトバンクロボティクスの林氏も、先ほどと同じ、東洋経済の取材に対して、
まだ、感情エンジンも含めてともかくやってみたという状況。世界観の方向性は理解頂けると思うが、すべてをきれいに構築できていない。まだまだと指摘されることもあるだろう。アップデートを含めて期待してほしい
と、コメントしていました。
家庭用ロボットといえば、やはりソニーのペットロボット「AIBO(アイボ)」を思い浮かべます。AIBOも可愛らしいしぐさで、オーナーに対して癒やしを提供してきました。
Pepperも、しぐさやリアクションに力を入れているようですが、その姿形や大きさである以上、ユーザーが期待するのは会話によるコミュニケーションの部分です。
喋るロボットへの高すぎる理想
と、断言するのも、冒頭にも書きましたが、アニメーションの中では、喋るロボットはあたりまえの存在として我々のそばにありました。1963年に、日本で最初の連続テレビアニメとなった『鉄腕アトム』以降、喋るロボットのキャラクターは数え切れないほど生まれています。
海外でも、スター・ウォーズシリーズのC-3POという超人気キャラクターがいますが、PepperがC-3POを意識していることは間違いないでしょうね。
アニメの中で彼らは我々の友達であり、相棒であり、家族でした。もしくは、超絶技術を持つ便利な存在でした。
ロボットはこうあるべき、こうあってほしいという理想や想いが全ての人の心や思い出に存在していて、それがとてつもない高いハードルとなってPepperくんに立ち塞がるような気がしています。
まぁ、そこを目指すのは酷ではありますが、『飽きさせない』というのは相当難しいことにチャレンジしているのは間違いありません。
会話の精度はどこまで成長するか
Pepperは人工知能によって、人との会話で少しずつ成長していくそうですが、どこまで成長してくれるのか。ここが一番気になるところです。
上記のソフトバンク銀座店の様な会話では、正直会話するのがめんどくさくなりそうです。つまらないボケにツッコミを入れ続けるのはしんどいです。
また、つまらない質問や、的をえない話と感じるのは、時と場合に左右されることもあり、人間の思考はだいぶ複雑にできています。リアルC-3POになるにはもう少し時間がかかりそうです。
2つの人格が漫才のように会話を処理
そこで、一つ解決方法を考えてみました。人格をもう一つ用意するというものです。Pepperと一対一で会話していて困るのが、つまらなくても逃げ場がないことでしょう。
そんな時、ペッパー君と例えばシュガー君という2つの人格がいて、漫才のようにボケとツッコミで会話を処理してくれるのです。例えばこんなシーン。
ペッパー「ところで私さんは何型ですか?」
私「(この質問前にもあったな。答えるのめんどくさいな・・・)」
シュガー「ペッパーその質問は以前にもしただろ」
ペッパー「あ!そうだった。私としたことが!」
私「そうだよ。ペッパー。B型って言ったじゃない」
みたいな。
無理に対話をしなきゃと思うと、コミュニケーションがめんどくさくなってしまいますが、二人の会話を見ているというコミュニケーションの方法が加わるとだいぶ可能性が広がるような気がします。
Pepperが居ることで、家族同士の会話が増えるという効果はもちろんあると思いますが、せっかくならPepperとの会話を楽しみたいので人格を2つくらい用意しておいてもらえると楽しそうだなぁ。
Pepperは家庭教師に向いている
Pepperはアプリを追加することで、サービスを拡充していくことができます。以前、SMAPの番組で、Pepperのゲームアプリで遊んでいるのを見ました。
その番組では、早口言葉ゲームや、演技力判定ゲームで遊んでいたのですが、大人じゃ一回やったら満足するレベルです。子供なら何回でも遊ぶかもしれませんが、それでも一日一回に制限した方がいいでしょう。
これもPepperとのコミュニケーションといえばコミュニケーションなのでしょうが、ファミコンやスマホゲームの延長線上のことをPepperでやっても意味が無いと思います。
ただ、子供向けの教材系アプリとの相性は抜群だと思います。
これだけ派手にリアクションしてくれると楽しんで勉強できそうです。
こんなPepperアプリがほしい
やっぱり声はいろいろ選べたらより、愛着がわく気がするんですよね。カーナビも有名声優を起用したりしてますが、絶対に需要があります。
それから、Pepperとのメールコミュニケーションね。実物を持っていないのですでにありそうですけど、家族なんだから外からもメールでコミュニケーションしたいですよね。