Twitterを見ていましたら、ドワンゴの会長である川上量生さんのこんなツイートが流れてきました。AI(人工知能)がイラストの閲覧数を予想してくれる技術をドワンゴが発表したそうです。
これ、投稿者名やジャンル名など、ある程度人気が予測できる情報を一切使わずに、画像だけで判別しているところが恐ろしい。 / “ドワンゴ、イラスト投稿作品の閲覧数を事前予測する技術を発表 – CNET Japan” https://t.co/ZHFj9LopSN
— kadongo38 (@kadongo38) 2015, 11月 2
ニコニコ静画の投稿作品を対象とした技術ということで、このコミュニティの独自の文化や価値観のようなものも色濃く反映されているとは思いますが未来を感じる技術です。
7月頃にもグーグルのAI「Deep Dream」が、画像の中の一定の特徴から悪夢のような画像をつくりだすと話題になりましたが、AIは日々進化を続けているようです。
AIの進化がWEBの世界にどんな影響を与えるのか?僕は、グーグル先生がおせっかいおばさんになってしまうんじゃないかとちょっと心配しています。
どおいうことか?キーワードとともにその理由についてご説明したいと思います。
画像から勝手に個人や場所を特定
AIによる画像解析の精度が上がったことで、すでにこんなシーンを体験している人は多いのではないでしょうか?Googleフォトや、Facebookに写真をアップロードすると勝手に個人を特定してタグ付けしたり、場所を特定してくれたり。
ストーカー活動が捗りそうな機能ではありますが、風景写真から場所の特定ができると旅行に行くハードルが下がったり、大量の写真の整理が自動で行われたり、確かに便利なシーンは色々ありそうです。
AIによる文章作成が不安
さて、一方で未来に不安を感じるのがAIによる文章作成の分野です。
これがAIかどうかは不明ですが、すでにアメリカのAP通信では、記事を自動生成するツールを使って大量の記事を生成しています。
100万PVの1記事を作るのではなく、1PVの記事を100万ページ作るという彼らの方針から分かる通り、まだまだAIによる文章作成は発展途上にあります。
順調に研究が進み、もしこれが個人ブロガーレベルにまで、気軽に利用できるツールになってしまったとしたら・・・それはあまり考えたくないものです。きっとろくでもない記事が溢れるだけなので。
もっとも身近なAIグーグル先生
WEBに生きる人達にとって、もっとも身近な文章系のAIと言えば、Googleボットではないでしょうか。検索する人にとっては、自分の探したい情報に1番近いものを表示してくれる優秀な先生ですが、
コンテンツを作る側からすると、文章を解析され、検索結果としてランキング付けされ、その順位に一喜一憂している状況にモヤモヤすることもあります。
ただ、検索結果の精度は益々上がっていくので、それは個人への最適化が進んでいくことなので、現在、ひとつのサイトに集中しているアクセスが有るとすれば、それは分散していくんじゃないかと予想しています。
Pepperの感情認識機能
近年話題になったAIと言えば、ソフトバンクのロボット、Pepperの感情認識機能です。人の声や表情をはじめとする特徴を読み取り、適切なアクションを返すというものです。
Pepper君、喋ってくれるのですが、喋るということは、文章を生成しているということです。こちらの記事でも書きましたが、現段階ではその会話の精度もまだまだですが、今後に期待したいと思います。
さて、これらのキーワードから見えてくる近未来。それは。
感情を認識し + 勝手に + 個人に最適化する + 文章を作成する + グーグル先生 = グーグルおせっかいおばさん(56)
は?という声が聞こえてきそうですが、グーグルおせっかいおばさんはこんなことをしてきます。
若者言葉を正しく変換
昨今、便利な使われ方をされ過ぎていることが問題視されている2つの言葉があります。それが、「ヤバイ」と「カワイイ」です。
「ヤバイ」と言えば本来、悪い意味で使われる言葉ですが、昨今では良い意味として使われることが多いです。「この餃子マジでヤバイ。」は「この餃子本当においしい。」となります。
「カワイイ」も不思議な事になっています。例えば、グロテスクな虫を見てもカワイイ。ハゲでデブなおじさんを見てもカワイイ。今どきの女子は何にでもカワイイと言います。
何にでもと言うと語弊がありますが、三省堂国語辞典 第7版にはカワイイの新たな定義として「女性がちょっと心惹かれる様子」という意味が加えられました。
2014年11月1日に放送された、「所さんのニッポンの出番!」では、カワイイをテーマに興味深い実験が行われました。初対面の女性12名に自分の気に入った物をテーマに会話をしてもらいました。
前半は「カワイイという言葉」を引き金に盛り上がっていた会話が、後半は「カワイイ」を禁止したところ、全く会話が盛り上がらずに沈黙してしまうのです。
ボキャブラリーの無さ、語彙の無さが問題視されますが、カワイイにはどおやら相槌としての使われ方もあるようです。
グーグルおばさんはだらしない若者言葉が嫌いです。文章内でこんな言葉を使ってたら表示上では勝手に正しい言葉に変換して吐き出されてしまいますよ。
嘘なんてつけない。強がりも言えない。
よく少女漫画で好きな相手に素直になれなくて逆に悪態をついてしまうなんていうシチュエーションがよく見られますが、グーグルおばさんはおせっかいなのでこんなことしてたら自分に素直になれと一喝されます。
例えば、A子さんとB男くんはカップルです。しかし些細な事から喧嘩してしまいます。A子さんはブログにB男くんへの気持ちを書きます。
B男なんて大っ嫌い!ホントバカ!別れてやるんだから!
でもグーグルおばさんにはA子さんの本当の気持ちはお見通しです。B男くんがこのブログを見た時にだけこんな文章に変えちゃいます。
B男大好き!今日はごめんなさい!仲直りしたいの!
この後、B男からの電話であっという間に仲直りしてしまう2人。いっそブログなんて使わなくても電話で罵り合う言葉を勝手に愛の言葉に変換してくれているかもしれません。
実現したらゾッとしますが、これが近い将来訪れるであろう、AIが進化した世界で正しく暴走するグーグルおせっかいおばさんの姿です。ちゃんちゃん。