袋井市の湊東地区には「命山(いのちやま)」という、津波被害を想定して造られた高台があります。完成したのは2013年12月21日。僕が初めてこの命山を認識したのは2013年の8月にお盆で帰省した時だったかなと記憶しています。
ここ、前はパチンコ屋がありまして。パチンコパーラーABC。父がよく行っていたみたいで、小学生の頃には景品としてスーパーファミコンのゲームをよく持ち帰っていました。その頃はパチンコの景品て知らなかったけど。
で、しょっちゅう潰れては別のパチンコ屋が入るみたいな場所だったんですね。パチンコをやらない僕としてはやっと有効活用されたかと喜んでいました。
太平洋沿岸の地域は南海トラフ巨大地震で津波被害が想定されています。小金持ちな方たちは内陸の方に引っ越していくことも多いようですが、大多数の人はそおいうわけにもいきません。
湊東にできた命山は海抜約10M、約1340人を収容する規模です。現地の様子は日本1000公園のえまさんの記事がすばらしいのでそちらをご参照下さい。
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この地域には、最大で10Mの津波が来るという予想が、静岡県のWEBサイトにて公開されています。内閣府が発表した南海トラフ巨大地震の津波浸水域を参照しているそうです。
いや。でも、3.11の東日本大震災では、福島県の富岡町で最高21.1mの高さ津波(※東京大学佐藤教授調査)を記録したそうで、10Mじゃダメじゃないの?と思い、いろいろ調べたところ、
福島県の富岡町は海から300Mの地区で、湊東の命山は1.3kmの地点にあります。それを考慮すれば大丈夫なのかなという気もしなくはないですがあと5Mくらい盛っても良かったと思いますよ袋井市さん。
そんな命山ですが、効果的な津波対策として、全国各地から注目を浴びているようで、読売新聞の調査では全国30か所で完成もしくは計画中とのことです。
また、6月29日には、細川元首相が公益財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」の理事長として視察に訪れるなど、その注目度の高さがわかります。
何に注目しているか?それは建設費の安さにあります。
和歌山県美浜町の試算では、海抜15.5Mで収容人数2,000名の規模で約4億円の総事業費。当初計画していた避難タワーの建設費が15億円だったこともあり、命山の建設を決めたようです。
袋井市には、2012年に津波避難タワーも建設されています。湊と同じ、旧浅羽町地区の西同笠にある、浅羽南小学校と浅羽南幼稚園、あさば保育園のすぐ近くにそれはあります。僕の母校。
出典:津波避難タワーを見る – フーちゃんのカメラウォッチング
写真は袋井市の旧ゆるキャラフーちゃんのブログからお借りしました。そうか!これ避難タワーだったのね。今年のお正月に実家に帰った際に見かけてその異様な光景にびっくりしました。
母にアレ何なの?と聞いても何だろね?という返事。母が悪いのか市が悪いのか、地元住民の認知度はどおやら低いようです。
写真からも分かるように、非常に無骨なルックスで景観的にはあまり良いとは言えません。きらりんタワーと可愛らしい名前がつけられているようですが、焼け石に水です。
もちろん、人命優先ですし、小学校、幼稚園のそばに作りたい。スペース的な問題があった。とか、いろいろ事情はあったとは思いますが・・・
と、予算的にも、見た目的にも優れていて、かつ、普段は公園として使える命山の有効性が認められているようです。何もない旧浅羽町地区が全国から注目をあびるのは嬉しいことです。
湊東の命山の造成設計を手がけたのは浜松市に本社を置く株式会社フジヤマ。県内だけで6~7箇所建設済み、もしくは予定とのことなのでそれもこちらの会社さんがやるのではないでしょうか。
ひとつ4億円。おいしいなぁ。
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